相続財産に金銭債権が含まれる場合について

文責:弁護士 鳥光翼

最終更新日:2020年09月25日

1 金銭債権は相続財産

 金銭債権とは,他者に対してお金を支払うよう要求し,そのお金を受取ることができる権利です。

 預貯金も,厳密には金融機関に対してお金の払い戻しを求めることができる権利なので,金銭債権です。

 その他,公的機関から還付金を受けられる権利なども,金銭債権となります。

 そして,被相続人が金銭債権を有していた場合,その金銭債権は相続財産になります。

2 被相続人の金銭債権の取立てはできない

 相続放棄を検討されている場合,被相続人の金銭債権に基づく金銭を受け取ることはできません。

 相続放棄は法定単純承認事由に該当する行為を行ってしまうと認められないところ,被相続人の債権の取立て,すなわち金銭債権に基づく請求を行って金銭を受け取ることは法定単純承認事由に該当する行為に該当するためです。

3 相続財産になる債権とそうでないもの

 ところで,被相続人の死亡に関して受け取れる金銭は,さまざまなものがあります。

 預貯金等に加え,生命保険金,未支給年金,死亡退職金,葬儀補助のための金銭など,被相続人がお亡くなりになると,受取ることができるお金が発生することがあります。

 これらの中には,被相続人の金銭債権であるものと,そうでないものがあります。

 すなわち,請求したり受け取ったりしてよいものと,そうでないと考えられるものがあり注意が必要です。

 契約上相続人が受取人として指定されている死亡保険金や,法律で遺族を指定して受取る権利が定められている未支給年金などは,相続人固有の権利なので,受取ることができると考えられます。

4 受け取れる金銭か否かは個別具体的な判断が必要

 2のように,理論上は,受け取ることができるお金と,受取ると相続放棄が認められなくなるお金を区別することはできます。

 しかし,実際に受け取ってよいかを確実に判断するためには,都度書類等を精査し,場合によっては会社や市町村の窓口まで行き,請求できる金銭の法的性質を確認しなければなりません。

 これは容易なことではありません。

 相続放棄に付随する問題は多岐に渡り,その中には非常に複雑なものも含まれます。

 相続放棄は期限が厳格に定められています。

 被相続人に関する金銭について少しでもお悩みでしたら,お早めに,そしてお気軽に弁護士法人心までご相談ください。

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